日本には、美味しいケーキ屋さんもパン屋さんもそこら中にあるので、自分で作る事は滅多になかったのですが、イギリスに来てからは「食べたいものを作るため」、ベーキングもよくするようになりました。「ふわふわのケーキやお惣菜パン」は、イギリスではなかなか見つからないのです。
そして、最初につまずいたのが、どの Flour を買えばいいのかということ。イギリスの小麦粉の分類が日本とは違うので、どれが日本の「薄力粉、中力粉、強力粉」に該当するのかが分かりませんでした。
小麦粉の分類は、タンパク質の含有量や小麦の種類、挽き方によるのだそうで、日本の薄力粉や強力粉に近いものはどれなのか調べたこともあるのですが、それぞれの国で分類方法も違うし、あまりに奥が深く完璧に理解するのは困難。
小麦粉の分類を深く理解するのは諦め、小麦粉のパッケージに書かれていることに従って、「パン作りには Starong (Bread) Flour」、「ケーキ作りやその他のほとんどの用途には Plain Flour」で、ざっくりと使い分けています。
ベーキングの専門家の方は、豊富な知識と経験で小麦粉を使い分けているかと思いますが、我が家で使っている範囲で、イギリスの主な小麦粉と用途を記録しておきます。
イギリスの小麦粉は大きく分けて３種類 「Plain Flour」「Strong Flour」「Self-raising flour」
Plain Flour
全く同じではありませんが、日本で言うところの薄力粉〜中力粉。
主な用途は、ソースなどを作るときのとろみ付けやお菓子作り。
- 精製された白い 「Plain White Flour 」
- 全粒粉のような 「Light Brown Plain Flour」
- 普通の Plain Flour より挽きが細かく、お菓子作りに適している「Finest Plain Flour 」「Extra Fine Flour」
などがあります。
Strong Flour
日本で言うところの強力粉。「Bread Flour」 と表示されている場合もあります。
主な用途は、パン作り。
- 普通の精製された白い強力粉「White Strong (Bread) Flour」
- 全粒粉のような「Wholemeal Strong (Bread) Flour」
- 「Spelt 小麦」や 「Rye 小麦」の Bread Flour
- モルトが加えられている 「Malted Bread Flour」
- シードなどが既にミックスされている Bread Flour
などがあります。
Self-raising Flour
Plain Flour にベーキングパウダーなどの膨らむ成分が既にミックスされている粉で、主にケーキを作るときに使います。
単純に「Plain Flour ＋ Baking Powder」というわけではないようで、Self-raising Flourを使って肉まんや蒸しパンを作ると、皮が茶色く仕上がってしまいます。（Plain Flour と Baking Powder で肉まんを作ったときには、皮が茶色にはなりません。）
我が家では、パウンドケーキやパンケーキを作るときに使っています。
その他
パスタやピザ作りに適した「'00' flour」や「チャバタ」や「サワードウブレッド」用などに、既に色々ミックスされた状態で売られている粉などもあります。
粉のランクもベーシックなものから高級なもの、オーガニックのものなど色々あるし、特にパン作り用の粉は、沢山の種類のものが売られています。
選ぶ楽しみがありますが、選択肢が多すぎてどれを買おうか迷いすぎて困ってしまうことも、、、。
スーパーでも色々な種類の物が売られていますが、本格的にパン作りをされるなら、オンラインでフランス産の小麦粉なども買える所がたくさんあるようです。
小さめの店舗ですが、これだけの種類のものが売られています。
日本のレシピで料理するとき
- 薄力粉 →「Plain Flour」
- 中力粉 →「Plain Flour」か、「Strong（Bread）Flour」を少しミックス
- 強力粉 →「Strong（Bread）Flour」
に置き換えて使っています。
色々試した結果、イギリスの小麦粉と日本の小麦粉では、ケーキやパンの仕上がりがやっぱり少し違います。私の印象では、日本の小麦粉で作った方が、ケーキもパンもきめ細かく柔らかく仕上がる感じ。
とはいえ、イギリスの小麦粉が美味しくないわけではないし、家庭料理としては十分美味しいと思える「日本風のパンやケーキ」ができると思います。
日本風のふわふわなケーキやパンに仕上がるかどうかは、どこのメーカーの小麦粉を使うかだけでなく、レシピの配合によるところも大きいので、粉もレシピも色々試して自分の好みのものを探しています。
